令和3年度自然探訪スクール第3回講座『高田川の生きもの』を開催しました

 

 

令和3年7月25日(日)に自然探訪スクール第3回講座『高田川の生きもの』を開催しました。

午前9時30分、高田支所の駐車場に集まり、講師の榎本貴英えのもとたかひで先生から講座の説明を受けました。榎本先生は、「今日は高田川にすむ魚や水生昆虫を観察します。」「『スコア法』を使って、高田川がどれくらいきれいか調べてみましょう。」と話されました。

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●スコア法とは

 水生生物を用いて河川の調査・水質評価を行う際のツールとして活用する手法です。環境省が公開している『日本版平均スコア法』では、河川に生息する71種の水生生物を数値化し、それらの育成状況から河川の水質状況を定量的に評価できます。河川に生息する水生生物の数値の平均値が高いほど、その河川の水質は良好と判定されます。

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説明を受けた後は相賀の河原へ移動し、各々が水中メガネとあみをもって観察を始めました。川の中の石を裏返すと、たくさんの水生昆虫が石の裏にいることが分かりました。

また、流れに逆らって泳ぐ魚の習性を利用した仕掛けであるセルビン(ビンドウ)を設置しました。セルビンにエサを入れ、1つだけある入り口を川下に向けた状態で川の中に沈め、石で固定しました。

1時間半ほど川の生きものを捕まえた後、捕まえた生きものを皆で観察しました。

セルビンの仕掛けではカワムツを4匹捕まえることができました。ほかにもボウズハゼやルリヨシノボリ、ヌマチチブなどのハゼ科の魚が多くみられました。

水生昆虫にはきれいな川にすむヒラタカゲロウやカワカゲロウ、ヒゲナガカワトビケラが見られたほか、オオヤマトンボのヤゴ、サワガニ、イシビルなども見られました。

「魚は泳げるため、環境が合わなければすぐ移動します。しかし水生昆虫は泳がず、石の裏にすむため、何年もその川にすむことになります。よって川の水質評価の指標には、魚よりも水生昆虫のほうが適しています。今日観察できた水生昆虫は、スコア法でみると点数が高い昆虫が多く、高田川はきれいな川であるといえます。これからも興味を持ち、色々な生きものを調べてほしい。」と榎本先生がまとめました。

次回は第4回『桑ノ木の滝を見に行こう』をテーマに、高田で桑ノ木の滝の散策をします。まだ若干名空きがあるので、ぜひご参加ください。詳細は下記リンクよりご覧いただけます。

 

【熊野学講座】第38回・自然探訪スクール参加募集開始