三輪崎の鯨踊り

9月中旬の三輪崎八幡神社の例祭で、三輪崎郷土芸能保存会の人々によって「鯨踊り」が奉納されます。

熊野灘沿岸では17世紀に入って捕鯨が盛んになりました。三輪崎でも第三代新宮城主水野重上が「三輪崎組」の経営にのり出し、特に18世紀中頃にかけて最も栄えたとされています。

鯨踊りは、当時の大漁踊りが起源といわれています。踊りは、両手の扇を網に見立てて、鯨を追い込む様子を演じる「殿中踊り(でんちゅうおどり)」と、銛(もり)見立てた綾棒(あやぼう)で、銛突きを表す「綾踊り(あやおどり)」があります。踊り手は、大海原を表す白地に鯨・鯛・陸地を表す黒・赤・緑の縞模様の衣装を着け、勇壮に踊ります。