熊野川河口から1キロあまり遡った堤防ぞいに小さな森があります。
「宮井戸(みやいど)遺跡」です。ここからは弥生~古墳時代の土器が見つかっています。
近くには同じ時代の竪穴住居跡や土器が発見された阿須賀神社遺跡があり、そこで生活していた人々と関連があるかもしれません。
ここはほとんど岩山で、森の中に入ると仏様を表現した「梵字(タラーク)」が刻まれているのが見えます。
1471年(室町時代)、熊野速玉大社前にあった山伏の寺・霊光庵(れいこうあん)の了祥(りょうしょう)という人が刻んだそうです。
当時、宮井戸がどのように信仰されていたのかを考えるうえで貴重です。
また、今は阿須賀神社に一緒に祭られていますが、江戸時代には宮井戸社がありました。
古代から脈々と受け継がれてきた歴史のある場所です。